風待ちのひと

以前書店で偶然手に取って読み始めた
伊吹有喜さんの「雲を紡ぐ」

すごく心に残っているので
同じ著者の作品を読みたいなぁと
ずっと思っていました。

「雲を紡ぐ」は岩手県盛岡市で
羊毛を染めて紡ぐ織物の話です。

不登校になった高校生の女の子が、
祖父の田舎を訪れ
その土地の人と関わりながら
心を開き成長していく物語でした。

伊吹有喜さんのデビュー作

そして、今回手にしたのが
伊吹さんのデビュー作である「風待ちひと」

物語は、伊吹さんの生まれた
三重県の海の近くで繰り広げられます。

年齢が同じというだけで
全く異なる環境で生きた二人が偶然出会い、
一緒の時間を共有する。

大切な人を失くし
様々な思いを抱えて生きている。

ふたりに関わる周りの人達もまた、
それぞれがの人生がある。

あぁ、幸せになってほしい。

だけど、誰かを苦しめてしまうような
ひとりよがりの幸せは
本当の幸せではない。

物語の展開に目が離せなくて
一気に読み進めてしまいました。


伊吹さんの小説は描写が美しくて好き。
ストーリーの構成も余韻を残してくれる。

読み終わるまでいっぱい泣きました。

「風待ちのひと」の背表紙